蝉時雨


夜の静寂忽然とかき消していく蝉時雨
一人窓辺を睨んでる 力なく憂いながら

言葉届けと叫べども風に飲まるるはかない声
自分忘れてたまるかと震えてる握り拳

気付けば身体傷だらけ 逃げ道探し血を流す
深まる夜の片隅で 唇噛み締める

ただただ過ぎ行きて ただただ絶え間なく
ほらまた見えぬまま来たる朝

虚しい暮らし続き行き思い馳せるは君の顔
わびしさ垂れる夏の夜は蝉時雨 追憶の彼方へ


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